皆様、いつもさくらぷりんとをご利用いただき誠にありがとうございます。

 

公開している特殊算のシリーズ、『さくさく文章題』は、

①「基本のきほん(基本問題集)」

②「練習問題」

の2本柱で作成しています。

 

①「基本のきほん(基本問題集)」導入用です。

 

②「練習問題」は出題パターンを厳選し、基本から応用までを網羅しています。

 

中学入試で言えば、ざっくりですが偏差値50台ぐらいの難易度かと思います。

高難度の問題は扱っていません。

 

さて、この記事では、①「基本のきほん(基本問題集)」どのような意図で作成しているのかと、なぜさくらぷりんとで特殊算を取り扱うのかという2点についてお話いたします。

 

「基本のきほん(基本問題集)」がとても簡単なわけ

 

「基本のきほん(基本問題集)」で意図していることは

自分で図が描けるようになること

です。

 

算数の文章題は、問題を読んで自分で図や絵を描くことができれば、ほぼ解けたも同然です。

 

逆に言えば、同じ問題なのに、何回やっても解けるようにならない子は、問題を読んで図や絵を描くことができません。

 

文章題における突破口は、学習者本人が問題を読んで図や絵に落とし込む練習を積むことであると長年の指導経験から痛感しています。

 

簡単な問題を利用し、繰り返し図や絵を描く練習を積んで、それぞれの特殊算の算法の概念を理解すること。

 

これが、さくさく文章題の「基本のきほん(基本問題集)」を作成したねらいです。

 

したがって、プリント内では、簡単な例題を何問かこなした後、

 

〔自分で図を描いてみましょう〕

 

という指示とともに、図を描くためのスペースを十分に確保しています。

 

これは、上位学習の「練習問題」でも同じです。

 

私の提供する『特殊算 さくさく文章題シリーズ』に取り組む際は、ぜひ学習者本人に図を描くことをすすめてみてください。

 

どうしても自力で図が描けない場合も心配ありません。

 

全ての問題に図入りの解答解説を付けてあります。

 

解答の図をまるまる写すだけでも勉強になります。

ぜひ、自力で図が描けるようになるまで、練習してください。

 

 

 

なぜさくらぷりんとで特殊算を取り扱うのか

 

私は、中学入試に挑む人だけを意識して特殊算を扱っているわけではありません。

 

そのわけをお話します。

 

特殊算のほとんどは小学校の教科書で扱われません。

特殊算を勉強するのは、多くの場合中学入試を目指している小学生が、進学塾で習うものです。

まず、この差違に疑問がわきます。

 

なんでかな? 

って思います。

 

多くの私立中学校では、小学校の教科書で習う範囲外の内容を出題している現実があります。

 

それに対して、受験する側(本人や保護者)もそれを受け入れています。

 

とある事例を紹介します。

 

真子さんの事例

 

真子さん(仮名)は、とても優秀な小学生でした。

テストはほぼ100点、中学へ上がっても成績上位を維持し続けていました。

 

この子を「優秀」であると表現したのは理由があります。

なんと真子さんは、学習塾や進学塾へは一切行かず、学校の教科書と副教材の学習だけで成績上位を維持していたのです。

 

問題はこの後発生しました。

地元で最難関の公立高校へ進学した彼女は、入学後すぐに同級生と自分との落差に愕然とします。

 

出された数学の課題が「自分だけ解けない」という壁にぶつかります。

 

真子さんは解けない数学の問題に長時間取り組み、解けないので書店で参考書を買いました。

 

それでも「自分だけ解けない」状況が続きます。

 

「周りの同級生はみんなできるのになぜだろう」

 

やがて真子さんは、「自分に能力がないからだ」と考えるようになります。

 

つまり、大きな劣等感を抱くようになったのです。

 

小学校時代から、ずっと塾へ行かず、高校進学後も塾へ行くことがなかった真子さんは、いわば家庭学習の純粋培養状態で地元で一番の高校に進学したのですが、これは真子さんの家庭の方針でもありました。

 

だから、真子さんに責任はありません。

 

では、なぜ真子さんだけ数学の課題ができなかったのでしょうか。

 

答えは簡単です。

 

真子さん以外はみんな塾に行っていたか、もしくは難問の解法が記載されている教材を入手する手段を持っていた。

 

地元最難関の高校ですから、真子さん以外の家庭はたいてい裕福であり、小さな頃から塾や家庭教師を付けられて育った生徒ばかりです。

当然のことながら、そんな生徒達は、高校進学後も専門クラスのある塾に通って、そこで数学の解答例を手に入れていたのです。

 

しかし、塾へ行かない家庭の方針で育った真子さんは、当時この謎(数学の課題が自分だけ解けない)を解明することができませんでした。

 

結果「自分に能力がない」と自分を責めることになったのです。

 

中学入試する人も・しない人も

さて、私はこれと似たようなことは小学校でも起きていると思っています。

 

つまり、よく勉強ができる子、テストでいい点数を取る子を見て

「それにひきかえ自分はできない(能力がない)」

と考えて、いらぬ劣等感にさいなまれている小学生は、必ず存在するでしょう。

 

しかし、テストでの得点の背景にあるものが、経済格差や家庭の方針であったとしたら、テストでの得点差は本人の能力以外にあることになります。

 

本人の能力以外の要因でテストの得点に差がついたのに、本人が劣等感を抱かなくてはならないとしたら、これは1つの不条理と言えます。

 

この不条理を解決できる力は私にはありませんが、それでも作成した教材を公開して一石を投じることができればと考え、このさくらぷりんとがあります。

 

小学校の教科書にのっていないにも関わらず、中学入試に挑む多くの小学生が学習する「特殊算」を公開し、中学入試をするしないに関わらず、特殊算に触れてもらいたいと思いました。

 

私の教室では、中学入試をする生徒もしない生徒も、すべての4年生以上は、この特殊算を勉強します。

 

「中学入試をしないのに、必要ないだろう」

 

とは誰も言いません。

 

 

生徒達は、出来ない問題が出来るようになったとき

「わかった!」

と喜びの声を上げます。

テストの得点や進学のためではない本物の学びがそこにあると感じる瞬間です。

 

この文章を読んでいる方(おそらく保護者の皆様)も、中学入試をするしないに関係なく特殊算に挑んでみてください。

私は決して中学入試を否定しているのではありません。

中学入試に挑戦する生徒を、私自身何人も指導しています。

 

まとめ

さくらぷりんとの『さくさく文章題』

おばあちゃんでも、孫に教えられる

がコンセプトです。

 

だから、「基本のきほん」は徹底的に易しくしてありますし、「練習問題」でも、すべての問題に図入りの解答解説を付けているのです。

 

特殊算は、算数の文章題の概念を身に付けるのに適している他、さまざまな思考力を鍛えることができます。

 

多くの皆様に特殊算の学習を楽しんでいただければ幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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