そろばんでかけ算を計算する
そろばんでかけ算を計算するとき、さまざまな方法があります。
ここでは、代表的な2つの方法をご紹介いたします。
それぞれのメリットとデメリットを説明しますので参考にしてください。
47×5の計算を例にとって解説してゆきます。
かけられる数をそろばんに置く方法
「尾乗法(びじょうほう)」と呼ばれています。
①47をそろばんに置く
わかりやすいように、47の一の位が定位点のところにくるように置きます。
②7×5の答えを7の右に加える
7の一つ右の桁から7×5の答え「35」を加えます(赤)。
③7を払う
「35」を置いたら、7を払います。
④4×5(本当は40×5)の答えを4の右に加える
4の一つ右の桁から4×5の答え「20」を加えます(赤)。
⑤4を払う
「20」を加えたら、4を払います。
⑥桁を読む
そろばん上に残った235が答えになります。
最初に加えた「35」の5が一の位になるので、235は「二百三十五」ということになります。
かけられる数をそろばんに置かない方法
「頭乗法(とうじょうほう)」と呼ばれる方法です。
①桁を読む
47×5では、数字が3つあるので、答えが三桁になると予想します。
そろばんの定位点を一の位に決めます。(一桁目とする)
一の位を一桁目としたら、三桁目は百の位になります。
②40×5を加える
40×5は答えが三桁になるので、三桁目(百の位)から答えの「20」を加えます。
③7×5を加える
7×5は答えが二桁になるので、二桁目(十の位)から答えの「35」を加えます。
④答えを読む
このとき、そろばん上にできた235は、一の位の5が、定位点上にあるため、桁読みをする必要はありません。そのまま「二百三十五」と読むことができます。
「尾乗法」「頭乗法」どちらがよいか
それぞれのメリットとデメリットについて解説いたします。
「尾乗法」
メリット
・答えをかけられる数のすぐ横から加えるため、桁の入れ間違いが起こりにくい。
・計算中に答えの桁を考慮に入れなくてよいため、気にすることが少なくなる。
デメリット
・最初にかけられる数をそろばんに置くひと手間がかかる。
・この方法をそのまま暗算に採用するのは困難。
「頭乗法」
メリット
・かけられる数をそろばんに置く手間が省ける。
・この方法でそのまま暗算に移行することができる。
デメリット
・桁読みと計算を同時に行うため、桁間違いが起きやすい。
・尾乗法よりは、習得するのに時間がかかる。
まとめ
「尾乗法」は習得するのが簡単な反面、暗算には応用しにくい。
「頭乗法」は習得するのに時間がかかるが、仕組みが分かればそのまま暗算に応用できる。
どちらを採用する方が良いというのはありません。
近くにそろばん教室がない場合は、尾乗法の方が取り組みやすいかもしれません。
次の記事では、九九の答えに「が」がつく場合のかけ算の計算法について説明します。