百人一首の解説の中に出てくる表現技法をまとめました。

小学生でも理解できるように、なるべく分かりやすく説明していきます。

 

枕詞(まくらことば)

 決まった言葉の前に置いてリズムを整える役割をする言葉です。

 ほとんどが、4文字か5文字。

 枕詞自体には、意味がないこともありますが、歌の雰囲気づくりにうまく作用していることもあります。

 枕詞の例

 あしひきの → 山

 浅茅生の → 小野

 ひさかたの → 光・雲・月・天など 

 作品の例

ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 
から紅に 水くくるとは

ちはやぶる かみよもきかず たつたがわ からくれないに みずくくるとは

 「ちはやぶる」「神」の枕詞です。

この歌は

「竜田川の紅葉がきれいだなあ。神代(かみよ・神さまの時代)からも伝わってないくらい美しいだろうよ」

というのが意味の中心なので、

「ちはやぶる」という言葉は「神」を引き出す言葉としての役割を果たしています。

そして、「ちはやぶる」の意味は、歌の意味をとらえる上で、考えなくてよいのですが、

この言葉のおかげで歌のリズムが整っています

枕詞はこのような使い方をします。

  

序詞(じょことば)

枕詞と似ています。

ただし、枕詞よりも長い(枕詞は5音か4音)です。

短い言葉で固定化された枕詞とちがって、序詞は長いので組み合わせは無限で、作者の工夫が発揮できます。

 

作品の例1

あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の 
長々し夜を 独りかも寝む
あしびきの やまどりのおの しだりおの ながながしよを ひとりかもねん

「あしびきの山鳥の尾のしだり尾の」が序詞です。

この歌の意味の中心は

「長い夜を独りで寝るのだ(さびしいな)」

です。

そのさびしさをかもし出すために、「あしびきの」という枕詞から「山」を引き出し、

そこから「鳥の尾」につなげて、後半の「長々し」に見事にまとめています。

 

作品の例2

浅茅生の 小野の篠原 しのぶれど 
あまりてなどか 人の恋しき
あさじうの おののしのはら しのぶれど あまりてなどか ひとのこいしき

「浅茅生(あさぢふ)の小野の篠原」までが序詞です。

「しのぶ」を引き出しています。

浅茅生(あさぢふ)は、チガヤという植物が生えている原のことです。こんな景色です。

 

 

 

 

 

こういう景色を詠んだ歌とみせかけて、「しのぶ」からたたみかけるように、恋の心を歌っています。

「このあなたへの想いは、これ以上耐えしのぶことができません。なぜこんなにもあなたが恋しいのでしょうか。」

  

掛詞(かけことば)

1つの言葉に2つの意味を持たせる表現の工夫。

 

作品の例

大江山 いく野の道の 遠ければ 
まだふみもみず 天の橋立
おおえやま いくののみちの とおければ まだふみもみず あまのはしだて

いく野

「行く」と「生野」の掛詞

 「大江山を越えて生野を行く道は遠いので」

という意味になります。

 ふみ

「踏み」と「文(ふみ・手紙)」の掛詞

2つの意味が出てきます。

「(遠いので)まだ天の橋立には到着していません(踏みも見ず)」

「また、(遠いので)まだ手紙も見てはおりません(文も見ず)」

この歌は、即興で詠まれたということで有名ですが、即興で掛詞を2つも詠み込むなんてすごいですね。

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