和歌と読み方
きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに
衣かたしき 独りかも寝んきりぎりす なくやしもよの さむしろに ころもかたしき ひとりかもねん

歌の意味

こおろぎが鳴き、霜が降りる寒い夜に、私はむしろの上にひとり衣の片方の袖をしいてさびしく寝るというのか。

ようするに、「一人で寝るのはさびしいよ」という意味の歌です。

それをいかに「さびしさ」「つらさ」の雰囲気をかもし出してうまく詠むか。

この歌では、「きりぎりす」「霜夜」「さむしろ」などの言葉でそういう雰囲気を出しています。

掛詞(かけことば)

和歌でよく用いられる表現技法です。1つの言葉に2つの意味をかけて使います。

↓掛詞などの表現技法についてもっと知りたい場合はこちらの記事をどうぞ↓

【豆知識】和歌の表現技法(枕詞・序詞・掛詞)

さむしろ

「寒し」と「さ・むしろ」との掛詞。

「むしろ」はわらで編んだしきもの。

 衣かたしき

平安時代、男女が一緒に寝るときは、互いの袖を枕のかわりにして寝ていました。

「衣かたしき」はその袖が片方しかないことを言っています。

つまり、一緒に寝てくれる女性がいない=ひとりさびしく寝ることが分かります。

 

九条(藤原)良経(くじょうよしつね)

後京極摂政前太政大臣(ごきょうごくせっしょうさきのだじょうだいじん)

百人一首の作者では、祖父に藤原忠通、叔父に慈円がいます。

書家、歌人、政治家としてどれも一流で非常に多才な人でした。

後鳥羽上皇(ごとばじょうこう)の命を受け、和歌所(わかどころ)のリーダーとなって『新古今和歌集』の編纂にも関係し、仮名序(かなじょ・歌集の前書き)を書いています。

権力闘争に敗れ、一時は政治から身を引きます。

しかし数年後に再び政界に戻り、土御門天皇(つちみかどてんのう・第83代)の摂政となりますが、その3年後に急死します。

享年38でした。

 

 

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