和歌と読み方
嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は
龍田の川の 錦なりけり
あらしふく みむろのやまの もみじばはたつたのかわの にしきなりけり
歌の意味
嵐が吹き、三室の山のもみじの葉っぱが散りました。するとふもとの竜田川がそのもみじの葉にいろどられてまるで錦のようです。
ぴよ先生
まずはこの写真を見てみましょう。

ぴよ先生
手前に見える川が竜田川(たつたがわ)で、奥に見える小さな山が三室山(みむろやま)です。
ぴよまろ
ふつうの川に、ちっちゃい山だよ
ぴよ先生
もみじの名所で、百人一首以外にも三室の山をよんだ歌がいくつもあります。
このように、多くの人が和歌によみこんで有名になった場所のことを「歌枕(うたまくら)」といいます。
このように、多くの人が和歌によみこんで有名になった場所のことを「歌枕(うたまくら)」といいます。
歌枕(うたまくら)
和歌の題材として多くの人に詠(よ)まれた名所。
【三室山+竜田川+紅葉】というように、他の言葉がセットになることも多い。
【三室山+竜田川+紅葉】というように、他の言葉がセットになることも多い。
〔歌枕(うたまくら)の例〕
吉野の山(よしののやま)奈良県 雪・桜の名所
田子の浦(たごのうら)静岡県 富士山がよく見える
白河の関(しらかわのせき)福島県
など多数
法師(ほうし)って何?

ぴよ先生
能因法師(のういんほうし)は
三十六歌仙(さんじゅうろっかせん)の一人です。
三十六歌仙(さんじゅうろっかせん)の一人です。
三十六歌仙(さんじゅうろっかせん)は、「平安時代 歌がうまい人ベスト36」と考えておきましょう。
能因法師にも、歌のお弟子さんがたくさんいました。

ぴよまろ
ほ?
う?
し?
う?
し?

ぴよまろ
うし~♡

ぴよ先生
法師(ほうし)とは、お坊さんのことです。
食べたらおなかこわしますよ。
食べたらおなかこわしますよ。

ぴよまろ
おぼうさん……
なむあみだぶつ
なむあみだぶつ……

ぴよ先生
ピンポーン!
大正解です。
大正解です。

ぴよまろ
大正解?
何が?
何が?

ぴよ先生
この時代は、浄土信仰(じょうどしんこう)というのが流行して、
南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)と念仏をとなえたら
極楽浄土(ごくらくじょうど=天国)に行けると信じられていたのです。
南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)と念仏をとなえたら
極楽浄土(ごくらくじょうど=天国)に行けると信じられていたのです。

ぴよまろ
じゃあ、さっき「なむあみだぶつ」をとなえたから
まろも天国に行けるね
まろも天国に行けるね

ぴよ先生
お気楽じゃなあ……
浄土信仰(じょうどしんこう)
浄土(じょうど)というのは、「けがれのない世界」という意味で、その反対に現世(いま人が生きている世界)は濁世(じょくせ)といって「けがれた、いやしい世界」と考えられていました。
奈良時代から平安時代にかけて、人々は現世のみにくさ、生きづらさに苦しむ人が多かったため、せめて死んだ後の世界に救いを求める「浄土信仰」が流行しました。
奈良時代から平安時代にかけて、人々は現世のみにくさ、生きづらさに苦しむ人が多かったため、せめて死んだ後の世界に救いを求める「浄土信仰」が流行しました。
「なむあみだぶつ」と言っただけで天国に行ける
と今の人が聞いたら、
「そんなわけないじゃん」
と笑うかもしれません。
しかし、そういう信仰が流行する背景(はいけい)には、仏教も政治も腐敗しており、世の中に希望が持てない人が多かったという理由もありました。