和歌と読み方
あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の 
ながながし夜を ひとりかも寝む

あしびきの やまどりのおの しだりおの ながながしよを ひとりかもねん

歌の意味

山鳥の垂れ下がった尾のように長い長い夜を私は一人で寝るのか。

ぴよまろ
百人一首は、読み方がややこしいなあ

ぴよ先生
そうだね。現代とは仮名づかいがちがうよ。
ここでは、「む」「ん」と読むことをおぼえましょう。

あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の

「あしびきの」

ぴよ先生
リズムを整える言葉なので、特に意味はありません。このように、リズムを整える言葉を「枕詞(まくらことば)」と言います。あとでくわしく説明します。

「山鳥の尾のしだり尾の」

ぴよ先生
「山鳥のしっぽがたれさがっている」という意味です。

「ながながし夜をひとりかも寝む」

ぴよ先生
「長い長い夜をひとりぼっちで寝るのかなあ」という意味です。歌全体としては、単純な意味ですね。

ぴよまろ
なんだ、それだけかー。
夜に1人で寝るのがさびしいのは当たり前だよ。
そんなことなら、まろだって言えるよ。

ぴよ先生
この歌は、雰囲気づくりが名人級にうまいのです。
その秘密が枕詞(まくらことば)にかくされていますので、つぎに枕詞について考えていきましょう。

「枕詞(まくらことば)」って何?

「あしびきの」

ぴよ先生
「山」につながる「枕詞(まくらことば)」になっています。
「枕詞」というのは、その言葉がきっかけとなって次の言葉を連想させるはたらきをしています。
たとえば、
「さいしょはグー!」
と聞いたら、ほとんどの人は「じゃんけんポン!」を連想しますよね。同じように、「あしびきの」と聞いたら、昔の人は「山」が頭にうかびました。
他にも「枕詞」の組み合わせには次のようなものがあります。
「ひさかたの」→「光」
「たらちねの」→「母」
「ちはやぶる」→「神」

ぴよ先生
「枕詞」は、歌のリズムを整えるという大切な役目がありますが、言葉自体の意味は考えなくてよいのです。
「さいしょはグー!」もリズムを整える役目がありますが、大切なのは、そのあとのじゃんけんの勝負ですよね。

ぴよ先生
さて!
ここで問題です。
ぴよまろは、この歌からどんな雰囲気を感じたかな?

ぴよまろ
ふんいき……?

ぴよまろ
さびしい感じがするよ

ぴよ先生
そうだね。
でも、歌の中には「さびしい」という言葉は一切使われていない。
なのに、なんとも言えないさびしさが
「山鳥の尾のしだり尾の」
によってかもし出されていますね。
「あしびきの」枕詞があることによって、
この「山鳥の尾のしだり尾」という言葉の流れを引き出しているのです。
ポイント
この歌は、「さびしい」という言葉を使わずに「さびしい」感じを出しています。

柿本人麻呂ってどんな人?

660年から720年まで生きた人です。

百人一首が作られた時から、さらに400年ほど昔の人ですね。

今からだと1300年も昔ということになります。

柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)の歌は、『万葉集(まんようしゅう)』という歌集にたくさん収められていて、昔から和歌を詠む人にとっては神様のような存在です。

柿本人麻呂のことを「歌聖(かせい)」と言ってたたえる人もたくさんいました。

ぴよまろ
まさに、和歌の世界におけるスーパーレジェンドだね!

ぴよ先生
ぴよまろは、すぐにそうやってカタカナ語を使う……

ぴよまろ
超!伝説!!

 

ぴよ先生
……

 

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