小さな我が子が、字の練習をしている姿は、本当にかわいいものですね。
それまで書けなかった字が、書けるようになる子供を見ていると思わず感動してしまいます。
それでも、練習している姿を見ているうちに、だんだんと欲が出てきて、
「もっとていねいに書きなさい」
「こんな字読めませんよ」
というネガティブな言葉がつい口に出てしまいます。
しかし、これは悪循環の始まりにもなりかねません。
元来、小さな子供は、知識欲が旺盛で、なんでもできるようになりたいと思っています。
しかし、「親が認めてくれる」「親に喜んでもらえる」という動機が大きな位置を占めていることは言うまでもありません。
勉強するとネガティブな言葉が飛んでくる
と子供が感じ始めることが、子供を勉強嫌いにするきっかけになってしまいます。
では、我が子が字の練習を面倒臭がって、やっつけ仕事のように字を書き出したらどんな言葉かけをすればよいでしょう。
小さな子供にも分かる言葉で伝える
「ていねいに書きなさい」
と言われても、子供は何をどうすればよいのか分かりません。
言葉かけは、すぐにできる動作・子供にも分かりやすいたとえを使うと効果的です。
子供が字を書く動作に合わせて
「は~い、ゆっくり、ゆっくり、ゆっくりね」
「かたつむりさんのはやさで、書いてみるよ。はい、か~た~つ~む~り~」
のような、分かりやすい言葉かけをすると、ほとんどの子供はその通りにしてくれます。
それに、こういう言葉かけ自体が楽しい要素を含んでいますので、笑顔を絶やさずにお勉強ができます。
ゆっくりていねいに字を書きあげた子供に、
「上手にかけたね」「すごくきれいな字だよ」
などの褒め言葉フィニッシュまでスムーズな流れを作ることができて、好循環のループを作ることができます。
子供の方から 「もっとやりたい!」 と言ってきたら素晴らしいですね。
でも、この声かけだけではマンネリ化することがあります。
字の形に合わせた声のかけかた
ていねいに書いてもらうためには、えんぴつ運びの速度を落としてもらうことが必要です。
そこで、字の形に合わせた声かけがあります。
たとえば「す」という字は、横線と穴の開いた縦線でできています。 この要素を利用します。
穴の開いた縦線を「ぶたのしっぽ」と言って、
「よ~こ~せん」 「ぶた~~~~のしっぽ」
の声に合わせて書いてもらうようにします。
ひらがなは、漢字とちがってぐにゃぐにゃしているので、いろんな線があります。
いろいろ名付けて工夫してみてください。
「ていねいさ」にこだわり過ぎるとデメリットも
あくまで、最終的な目的は「勉強を好きになってもらうこと」です。
子供が書く字のていねいさばかりにこだわると、子供が嫌がることもあります。
「ていねいに書くと(お母さん・お父さんが)喜んでくれる」
という認識がしっかりと子供にあるならば、あまり目くじらを立てずに勉強していること自体を認めてあげた方が得策です。
子供は、自分のリズム・ペースで勉強したいこともあります。
上にご紹介したやり方も決して万能ではありませんので、効き目が届かないときもあるでしょう。
そういうときは、子供のやりたいようにやらせてあげるのもいいかと思います。
親子で楽しく取り組んでいただければ嬉しいです。